外資系の内定が出て、入社日も決まった。ここで多くの人が、ほっと一息つきます。
でも、本当に不安になるのはここからです。
「研修はあるんだろうか」「英語ができないのがバレたら、試用期間で切られるんじゃないか」
外資系の入社直後は、日系とは進み方がまったく違います。教えてもらえる時間が、想像よりずっと短いからです。
この記事では、外資系の試用期間の実態・入社直後にやること5つ・上司との1on1で毎回聞く3つの質問・英語ができなくても評価される動き方・やってはいけない4つの行動をまとめます。
最初の3か月で、その後の3年の立ち位置が決まります。
1. 【結論】外資系の試用期間は「切るための期間」ではなく「信用を作る期間」
先に、いちばん不安なところを片づけます。
外資系の試用期間は、あなたを切るために用意された期間ではありません。
そもそも日本国内の外資系企業は、日本の労働法のもとで雇っています。試用期間だから簡単に解雇できる、ということはありません。
では何のための期間かというと、あなたが「まかせて大丈夫な人」だと周りに認識される期間です。
外資系は、上司が変わるスピードも、組織が変わるスピードも速い会社が多いです。
だから、最初の3か月でついた印象が、そのまま持ち歩かれます。
- 「あの人は自分から動く」
- 「あの人は聞かないと動かない」
この2つのどちらに分類されるかが、半年後の仕事の量と質を決めます。
> 「じゃあ、最初から全力で成果を出さないといけないんですか?」
そうではありません。3か月で大きな成果は出ません。
必要なのは成果ではなく、信用の土台です。何を任せられて、どこまでできる人なのか。それが見えている状態を作ります。
外資系で本当に人が入れ替わる理由については、外資系はクビになりやすいは本当かにまとめています。
では、日系と何が違うのか。ここを知らないと、動き出しでつまずきます。
2. 外資系の試用期間は日系と何が違うのか|3つのポイント
日系の会社から移った人が、最初の1か月でとまどうポイントは、だいたい3つです。
2.1 研修がほとんどない
日系だと、入社後1か月から3か月の研修期間があるのが普通です。
外資系は、初日から担当が割り振られることが珍しくありません。
システムの使い方の説明が1時間あって、あとは「分からなかったら聞いてね」で終わる。これが標準です。
つまり、教わってから始めるのではなく、始めながら覚えるのが前提になっています。
2.2 上司が結果しか見ていないわけではない、が、過程は自分から見せる必要がある
「外資は結果だけ」とよく言われますが、正確ではありません。
上司は過程も見ています。ただし、わざわざ見に来てはくれません。
日系のように、席が近くて自然に状況が伝わる、ということが起きにくい環境です。
だから、進捗(仕事がどこまで進んだか)は、自分から出す必要があります。
2.3 期待されている役割が、文章で決まっている
外資系では、あなたの担当範囲が求人票の時点で細かく書かれています。
そこに書かれていないことは、基本的にあなたの仕事ではありません。
逆に、書かれていることができないと、すぐに目立ちます。
このあたりの職場の空気の違いは、外資系カルチャーの実態7つでも詳しく書いています。
違いが分かったところで、具体的に何をするかに進みます。

3. 外資系の入社直後にやること5つ
この5つを、最初の30日で片づけます。順番も大事なので、上から順に取りかかってください。
3.1 上司と「期待値」を文章ですり合わせる
いちばん最初にやることです。
入社1週目のうちに、上司にこう聞きます。
「3か月後の時点で、何ができていたら合格ですか」
そして、返ってきた答えをその場でメモして、あとでメールで送り返します。
「本日うかがった内容を、私の理解として整理しました」の一文をつけて送るだけです。
これで、あなたと上司の合格ラインが同じになります。ここがズレていると、どれだけ頑張っても評価されません。
3.2 自分の担当範囲を、書き出して確認する
求人票に書かれていた役割を、自分の言葉で箇条書きにします。
そして、その中で「今すぐできること」と「まだできないこと」を分けます。
できないことを隠す必要はありません。むしろ最初に出しておくほうが、あとで楽になります。
「この部分は経験がないので、最初の1か月で追いつきます」と言えば、それは減点ではなく計画になります。
3.3 社内に「聞ける人」を3人つくる
外資系でいちばん困るのは、誰に聞けばいいのか分からないことです。
上司1人だけを頼りにすると、上司が忙しいときに仕事が止まります。
最初の1か月で、次の3人を見つけてください。
- 仕事の中身を聞ける人(同じチームの先輩)
- 社内の手続きを聞ける人(経費・申請まわりに詳しい人)
- 社内の空気を聞ける人(誰が何を決めているかを知っている人)
方法はシンプルで、15分だけ時間をもらって話すことです。「入ったばかりなので教えてください」は、入社直後にしか使えない強いカードです。
3.4 30日以内に、小さい成果を1つ出す
大きな成果は要りません。小さくて、目に見えるものを1つ出します。
- 手作業でやっていた集計を、自動で出せるようにした
- 手順書がなかった作業に、手順書を1本作った
- 止まっていた案件を、1件動かした
規模は関係ありません。「この人は入って1か月で何かを動かした」という事実が、信用の最初の1枚になります。
3.5 英語は「メールの型」を1つだけ覚える
英語力ゼロで入った人が最初にぶつかるのは、会話ではなくメールです。
会議は日本語でも、記録や連絡だけ英語というケースが本当に多いからです。
覚えるのは、次の4行の型だけで足ります。
- 何の件か(一行)
- 今どうなっているか(一行)
- 相手にしてほしいこと(一行)
- いつまでか(一行)
きれいな英語より、短くて曖昧さのない英語のほうが評価されます。
外資の社内英語メールについては、別の記事で型と定型文をまとめる予定です。
やることが決まったら、それを続ける仕組みが必要になります。
4. 上司との1on1で毎回聞くべき3つの質問
外資系では、上司と1対1で話す時間(1on1)が定期的に設定されることが多いです。
この時間の使い方で、試用期間の結果が変わります。
多くの人は、進捗の報告だけで終わらせてしまいます。それだと、上司の頭の中にある評価は見えないままです。
毎回、この3つを聞いてください。
4.1 「いま優先度が高いのはどれですか」
抱えている仕事を並べて、順番を確認します。
外資系では、優先順位が週単位で変わります。先週の一番が、今週の三番になっていることは普通です。
自分の判断で順番を決めると、まったく違うところに力を使ってしまいます。
4.2 「合格ラインは、いまどのあたりですか」
入社時にすり合わせた合格ラインを、毎月確認し直します。
「順調です」と言われたら、もう一歩踏み込みます。
「順調というのは、期待に対して何割くらいですか」
具体的な数字で返ってこなくても、上司に評価を言語化させること自体に意味があります。
4.3 「直したほうがいい点はありますか」
これがいちばん聞きにくく、いちばん効きます。
外資系の上司は、聞かれなければ細かい指摘をしないことがあります。あなたが自分で気づくべきだと考えているからです。
だから、こちらから取りに行きます。
指摘が出てきたら、次の1on1で「言われた点をこう直しました」と報告します。この往復が、いちばん信用を作ります。
聞き方が分かったところで、英語の話に戻ります。

5. 英語ができなくても評価される3つの動き方
外資系で、英語力より効くものがあります。私の実感では、この3つです。
5.1 返事を早くする
英語が完璧でなくても、返事が早い人は信用されます。
すぐ答えられない内容でも、「確認して明日までに返します」の一行を返す。
沈黙がいちばん評価を下げます。
5.2 数字で話す
言葉が足りない分は、数字が埋めてくれます。
「だいたい終わりました」ではなく「10件中8件終わりました。残り2件は金曜までです」と言う。
数字は、英語力に関係なく正確に伝わります。
5.3 分からないことを、その場で言う
「分かったふり」がいちばん危険です。後で食い違いが出たとき、信用が一気に落ちます。
「その言葉の意味を教えてください」は、入って3か月なら何度でも使えます。
<!– 体験談 –>
私が外資系に移ったのは、5社目でした。TOEICは受けたことすらありませんでした。
初日、システムの説明を1時間受けて、その後に渡されたのは、英語の資料が20ページ。「明日までに読んでおいて」でした。
前の会社は、終電で帰るのが当たり前で、上司から人格を否定される毎日でした。そこから逃げるように外資に移ったので、最初の1週間は「やっぱり無理だったかもしれない」と本気で思いました。
私がやったのは、単純なことです。分からない単語を全部その場で聞きました。
1日に5回も6回も聞きに行くので、さすがに嫌がられると思っていました。
でも、上司からは「聞いてくれるほうがありがたい」と言われました。理由は、黙って間違ったまま進められるほうが、後の手戻りが大きいからだそうです。
3か月目の面談で言われたのは、英語の話ではありませんでした。「返事が早いから、安心して任せられる」でした。
体感では、外資で最初に見られているのは英語力ではなく、止まらないかどうかです。
もちろん英語ができるに越したことはありません。ですが、できないことが即マイナスになるわけではない、というのが私の実感です。
最後に、逆に評価を落とす行動を確認しておきます。
6. 試用期間中にやってはいけない4つの行動
がんばっているのに評価が上がらない人には、共通するパターンがあります。
6.1 分からないまま黙って進める
もっとも多い失敗です。
聞くのが申し訳ないと感じて、自分で調べて進めてしまう。結果、方向がずれたまま2週間が過ぎます。
入って3か月の「聞く」は、コストではありません。
6.2 前職のやり方をそのまま持ち込む
前の会社で成果を出した方法を、そのまま押し通そうとする。これは一番嫌われます。
前職のやり方は、理由を説明したうえで提案します。「前はこうでした」ではなく「こういう理由でこの方法がいいと思います」に変えるだけで、受け取られ方が変わります。
6.3 頼まれた仕事を全部引き受ける
早く認められたくて、何でも「やります」と答えてしまう。
外資系では、これが一番危険です。担当範囲が文章で決まっているので、範囲外の仕事を抱えても評価されません。
しかも抱えすぎて本来の仕事が遅れると、評価だけが下がります。
断り方は簡単です。「今これを優先しているので、どちらを先にすべきか上司に確認します」と言えば済みます。
6.4 会議で一言も発言しない
英語の会議で黙ってしまうのは、よくあることです。
ですが、発言しない人は、いない人と同じ扱いになります。
完璧な意見でなくてもかまいません。「その点、あとで確認して共有します」の一言でも、参加していることは伝わります。
入社日の決め方でつまずいた人は、転職の入社日の決め方もあわせてどうぞ。

7. まとめ|3か月でやることは、成果より「信用の土台」
最後に整理します。
- 外資系の試用期間は、切るための期間ではなく信用を作る期間
- 研修はほぼない。始めながら覚えるのが前提
- 入社直後にやることは、期待値のすり合わせ・担当範囲の確認・聞ける人3人・小さい成果1つ・英語メールの型の5つ
- 1on1では、優先順位・合格ライン・直す点の3つを毎回聞く
- 黙る/前職のやり方/全部引き受ける/発言しないの4つは避ける
外資系の3か月は、短いようで十分な長さです。
成果を焦る必要はありません。止まらないこと、聞くこと、数字で返すこと。この3つを続けているだけで、3か月後の立ち位置は変わります。

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