「ご希望の年収はおいくらですか?」
面接の終盤でこう聞かれて、頭が真っ白になったことはありませんか。
高く言えば生意気だと思われそう。低く言えばそのまま安く決まりそう。結局「御社の規定に従います」と答えて、あとからモヤモヤする。私も昔はそうでした。
私は5社の転職で年収の質問を毎回受けてきましたし、前職では面接官として聞く側にも立ちました。
この記事では、その両方の経験から、面接で希望年収を聞かれたときに損しない3つの準備を解説します。
1. 【結論】「規定に従います」が一番損する。答えは相場×幅×根拠で用意する
結論から言います。一番損する答えは、遠慮の「御社の規定に従います」です。
謙虚に聞こえますが、採用側から見ると「では下限で」と言いやすい答えでもあります。私が面接官だったときも、規定に従うと言われた方の提示額は、正直、低めに寄っていました。
かといって、根拠のない高い金額をぶつけるのも危険です。
損しない答えは、相場を調べ、幅で伝え、根拠を添える。この3点セットです。
順番に準備していきましょう。まずは、そもそも面接官がなぜこの質問をするのかを知るところからです。
2. 面接官が希望年収を聞く2つの理由
面接官が希望年収を聞く理由は、突き詰めると2つだけです。
- 予算との照合:ポジションに用意された年収レンジに収まるかの事務確認
- 自己評価の確認:自分の市場価値を客観的に把握できている人かのチェック
> 「じゃあ、金額そのもので合否が決まるの?」
意外とそこではありません。レンジから大きく外れていなければ、金額だけで落とすことはまれです。
むしろ見られているのは、金額の裏にある根拠です。相場を知ったうえで語っているか、それとも願望だけか。ここで印象が分かれます。
つまり準備すべきは「いくら言うか」の前に「なぜその額か」。次の章から、その作り方を3ステップで説明します。

3. 準備1:相場と現在年収を数字で押さえる
1つ目の準備は、材料集めです。面接の前に、次の2つの数字を押さえてください。
3.1 自分の職種×経験年数の相場を調べる
転職サイトの年収データや、同じ職種の求人票の提示レンジを5件ほど見れば、だいたいの相場観はつかめます。
エージェントに登録している人は「私の経歴だと、市場ではいくらくらいですか」と直接聞くのが一番早いです。彼らは毎日その数字を見ています。
3.2 現在年収は「総額」で正確に把握する
現在年収は、基本給だけでなく賞与・残業代・手当込みの総額で答えられるようにしておきます。
源泉徴収票の「支払金額」を見れば一発です。ここが曖昧だと、あとのオファー金額の計算全部がズレます。
材料が揃ったら、次は伝え方です。
4. 準備2:希望額は1点でなく「幅」で伝える
2つ目の準備は、答えの形を決めることです。おすすめは幅で伝える形です。
- 「現在が◯◯万円ですので、◯◯万円から◯◯万円の間を希望しています」
- 「相場を拝見して、◯◯万円前後を考えています。ただ、業務内容次第で相談させてください」
幅で伝えると、高すぎて弾かれるリスクと、安く決まるリスクの両方を減らせます。下限には「これを下回るなら転職しない」という自分の防衛ラインを置いてください。
ここで私の体験談をさせてください。
3社目の転職のとき、私は遠慮して「規定に従います」と答えました。出てきたオファーは、当時の年収とほぼ同額。あとから同じ部署に入った同時期の中途の方が、しっかり希望を伝えて数十万円高い条件だったと知りました。
次の転職からは、相場を調べて幅で伝える方式に変えました。体感ですが、遠慮をやめてからのほうが、オファー金額も面接官の反応も明らかに良くなりました。根拠を添えた希望額は、生意気ではなく「自己分析ができている」と受け取られます。
とはいえ、面接の場で細かい金額交渉まではしないのが鉄則です。それが3つ目の準備につながります。

5. 準備3:具体的な金額交渉はエージェントに任せる
3つ目の準備は、役割分担です。
面接での回答は「相場ベースの希望を幅で伝える」まで。具体的な上乗せ交渉は、面接の場ではやらないと決めておきます。
理由はシンプルで、応募者本人が粘ると角が立ちやすいからです。エージェント経由の応募なら、金額の駆け引きは内定前後にエージェントが代行してくれます。詳しいやり方は年収交渉はエージェントに任せろで解説しています。
また、オファーが出たあとの条件確認の場でも年収の話はできます。確認すべき項目は内定後のオファー面談にまとめました。
最後に、面接官として聞いていて「もったいない」と感じたNG回答も共有しておきます。

6. 損する回答3つ|面接官が内心で減点していたパターン
希望年収の質問で印象を下げていた回答は、次の3つです。
- 「御社の規定に従います」だけで終わる:謙虚ではなく、市場価値を把握していない人に見えます
- 根拠なしに大幅アップを言い切る:「現年収の1.5倍希望です」だけだと、願望と受け取られます
- 生活事情を根拠にする:「住宅ローンがあるので」は、会社が払う理由にならず苦しい印象です
年収の質問に限らず、面接で落ちる人には共通パターンがあります。面接で落ちる人7選も合わせてどうぞ。
7. まとめ:金額は「準備した人」に寄っていく
最後に、3つの準備をおさらいします。
- 相場と現在年収を数字で押さえる
- 希望額は1点でなく「幅」で伝える
- 具体的な金額交渉はエージェントに任せる
希望年収の質問は、突然来ると一番動揺する質問です。でも、来ることは100%分かっている質問でもあります。
まずは源泉徴収票と求人票5件で、自分の相場観を作るところから始めてみてください。数字を持って面接に入るだけで、答える声の落ち着きが変わります。

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