外資系への転職を考えると、社内メールも気になりますよね。英語で依頼を書くたび、手が止まるのではと不安になるものです。
難しい単語を覚える前に、使う順番を決めましょう。用件、相手にしてほしいこと、期限を短く書くのが出発点です。
私は5社を渡り歩き、英語が得意ではない状態で外資系も経験しました。英語力への不安は、転職を考えるときの大きな壁でした。
ただ、社内メールの準備は、試験勉強とは少し違います。仕事で繰り返す場面に合わせて、短い文を用意できます。
この記事では、依頼・日程調整・報告・確認・催促の5つを扱います。架空の業務を使った英文なので、そのまま練習できます。
例文の丸暗記は必要ありません。自分の仕事に合う一通から作ってみてください。
1. 社内英語メールは目的と次の行動を先に書く
1.1 日本語のあいさつを全部訳さなくてよい
「いつも大変お世話になっております」から訳し始めると、迷います。まずは、このメールで何を伝えたいかを書き出しましょう。
たとえば、資料の確認を頼むメールです。必要なのは、確認してほしい資料、見る箇所、返事が欲しい日時です。
時候のあいさつや、長い近況報告は必須ではありません。相手が読んだあと、何をすればよいか分かることを優先します。
ブリティッシュ・カウンシルは、英国の社内メールの例を紹介しています。親しい同僚には、名前を使う呼びかけが一般的と説明しています。
ただし、国や会社によって習慣は違います。最初は同僚のメールや、社内の書式を確認しましょう。同団体の英文メール解説が参考になります。
1.2 誰に何をしてほしいかを一つ決める
メールを書く前に、日本語で目的を一行にします。「見積書の数量を確認して、金曜までに返事が欲しい」などです。
この一行が曖昧だと、翻訳しても曖昧なままです。「ご確認ください」だけでは、返事が必要か伝わりません。
- 内容を読んでおいてほしい
- 間違いがあれば直してほしい
- 承認するか返事をしてほしい
この3つは、別の依頼です。相手の行動が決まってから、英文にしましょう。
1.3 メールで済まない話は会話へ切り替える
複雑な交渉や、説明が食い違う話もあります。メールを重ねても進まないなら、短い打ち合わせを提案します。
話したあとは、決まったことをメールで残します。誰が、何を、いつまでに行うかが共有できれば十分です。
> 💬「英語が短いと、ぶっきらぼうに見えませんか?」
短さだけで印象は決まりません。呼びかけと依頼の表現、お礼を添えれば整えられます。
次は、毎回迷わず使えるメールの骨組みです。
2. 件名・用件・期限を埋めれば下書きができる
2.1 件名には相手が探せる情報を入れる
件名は「Question」だけより、話題が分かる形にします。後から検索するときにも、案件名が役に立ちます。
たとえば「Question about the September schedule」です。「9月の予定についての質問」という意味です。
依頼なら、何の確認か分かる言葉を使います。すべてを「Urgent(至急)」にすると、優先度が伝わりにくくなります。
必要な返事の期限があるなら、本文にも書いてください。件名だけに期限を入れると、見落とすことがあります。
2.2 本文は用件・補足・次の行動に分ける
本文は、次の順番で組み立てると迷いにくくなります。長いメールでも、各項目の役割は同じです。
| 順番 | 書くこと | 日本語での下書き例 |
|---|---|---|
| 呼びかけ | 相手の名前 | アレックスさん |
| 用件 | 何のためのメールか | 予定表の確認をお願いします |
| 補足 | 必要な背景や対象 | 特に出荷日の欄を見てください |
| 次の行動 | 返事の内容と期限 | 木曜の日本時間15時までに返信希望 |
| 締め | お礼と自分の名前 | ご協力ありがとうございます、ケン |
最初から全部を英語で考えなくて大丈夫です。この表を日本語で埋めてから、短い文に変えます。
2.3 宛先と共有先を先に決める
Toは主な宛先、CCは情報を共有する宛先です。複数人をToに入れる場合は、誰の回答が必要かも書きましょう。
「皆さん、確認をお願いします」だけでは、担当が曖昧になります。本文に名前と依頼を組み合わせると、役割が見えます。
共有する必要がない人まで、宛先に増やさないことも大切です。案件ごとの社内ルールがあれば、それに従ってください。
ここまでで骨組みができました。次の5つの場面で、実際の文章を見ていきます。

3. そのまま応用できる5つの英文メール例
以下は、この記事用に作成した架空の文例です。名前、案件、日付、時刻を実際のものへ置き換えて使ってください。
3.1 依頼|確認する箇所と返事の期限を添える
Subject: Review request: delivery plan
Hi Alex,
Could you review the attached delivery plan?
Please check the dates in column C.
Could you send your comments by 3 p.m. JST on September 17?
Thank you for your help.
Ken
意味は「添付の配送計画を確認してください」です。続けて、C列の日付と、日本時間9月17日15時の期限を指定しています。
JSTは日本標準時のことです。海外の相手に頼む場合は、時差があることを忘れないようにします。
コメントがなくても返信が必要なら、その旨も足します。「何もなければ返信不要」とするかは、仕事に合わせて決めましょう。
期限は自分の都合だけで設定しません。相手の勤務時間や、確認に必要な時間も考えます。
3.2 日程調整|候補日には開始時刻と所要時間を入れる
Subject: Meeting request: project handover
Hi Alex,
Could we meet for 30 minutes to discuss the handover?
Would September 16 at 10 a.m. JST work for you?
If not, please suggest another time.
Thanks,
Ken
「引き継ぎの相談で30分お時間をいただけますか」という依頼です。候補が合わない場合は、別の時刻を提案してもらいます。
日付だけでは、相手は予定を確保できません。時刻と所要時間を添えると、判断しやすくなります。
開催方法が未定なら、会議室かオンラインかも調整します。予定が決まったら、社内で使うカレンダーにも登録しましょう。
3.3 進捗報告|終わったことと次の予定を分ける
Subject: Weekly update: customer survey
Hi Alex,
The survey draft is complete.
I am checking the response form now.
I will share the final version by September 18.
No action is needed from you at this stage.
Best regards,
Ken
調査票の草案ができ、回答フォームを確認中という報告です。9月18日までに最終版を共有すると伝えています。
最後の一文は「現段階で対応は不要です」という意味です。報告なのか依頼なのかを、相手が判断しやすくなります。
提出日がまだ決められないなら、確定した予定のように書きません。「いつ予定を確認できるか」を伝える方法もあります。
3.4 認識の確認|自分の理解を書いて返事を頼む
Subject: Confirmation: report scope
Hi Alex,
My understanding is that the report covers Japan only.
The data period is July to September.
Could you confirm whether this is correct?
Thank you,
Ken
「対象は日本のみ、期間は7月から9月という理解で合っていますか」。自分の理解を先に示す確認です。
単に「よく分かりません」と伝えるより、確認箇所が見えます。どこまでは理解できたかを、短く書いてみてください。
scopeは「対象範囲」です。社内で使う言葉でも、意味が不明ならそのまま流さず確認しましょう。
3.5 催促|元の用件と必要な期限を落ち着いて示す
Subject: Follow-up: delivery plan review
Hi Alex,
I am following up on the review request below.
Could you send your comments by 3 p.m. JST on September 17?
Please let me know if you need more time.
Thanks,
Ken
「下記の確認依頼について、改めてご連絡します」という書き方です。時間が必要なら教えてほしい、と添えています。
元のメールに返信する形なら、依頼の経緯も読めます。催促前に、返信が別の場所に届いていないか確かめましょう。
緊急なら、メールだけで待たない判断も必要です。社内で合意した連絡手段から、要点を伝えてください。
5つの型があれば、空白の画面から書く負担は減らせます。送る直前には、英文以外の部分も確認しましょう。
4. 送信前は宛先・日時・添付を必ず確認する
4.1 日付は月を英語で書くと取り違えを減らせる
「09/10」は、地域によって読み方が変わります。「September 10」のように月名を書くと、区別しやすくなります。
時刻にはJSTなどの時間帯を添えます。相手の地域の時刻も書くなら、夏時間を含めて確認してください。
時差の換算に自信がなければ、カレンダーの表示を使います。推測で「そちらの朝9時です」と書かないことです。
曜日を添える場合は、日付と一致するかも確認します。コピーした古い文面は、この部分が残りがちです。
4.2 添付ファイルは名前だけでなく中身も見る
添付したつもりでも、別の版が入っている場合があります。送信前にファイルを開き、内容を確かめましょう。
確認するポイントは次の3つです。
- 依頼に使う最新版か
- 送ってよい内容だけが入っているか
- 本文で説明した資料名と一致しているか
共有リンクを使う場合は、閲覧権限も確認します。相手が開けないリンクでは、依頼が進みません。
4.3 質問と期限が見えるか最後に読み直す
相手になったつもりで、件名と最初の数行を読みます。何をしてほしいか、すぐ分かるでしょうか。
> 💬「英文が完璧かどうか、まだ自信がありません」
まずは、宛先・対象・期限・依頼内容を見ましょう。意味を変える誤りがないか、そこから確認します。
英語の学習も続けつつ、仕事の確認を省かないことです。試験の点数と実務の違いは、外資転職とTOEICの話でも扱っています。
次は、翻訳ツールに手伝ってもらう場合の使い方です。

5. 翻訳ツールは短い日本語と社内ルールで使う
5.1 日本語の主語と依頼を省かない
「例の件、可能なら早めにお願いします」。これだけでは、人が読んでも具体的な作業が分かりません。
「9月の売上表を確認してください」と対象を書きます。続けて「日本時間17日15時までに修正箇所を返信してください」と頼みます。
長い一文は、2つか3つに分けましょう。元の日本語が明確なら、訳の意味も確認しやすくなります。
相手にお願いしたいのか、自分が行うのかも分けます。主語を省いたままだと、役割が逆になることがあります。
5.2 使ってよいツールと情報を社内で確認する
会社の情報を外部の翻訳サービスへ入力してよいか、確認が必要です。利用を認められたツールがあれば、そちらを使います。
顧客名や契約内容を含む文章は、扱いを自己判断しません。利用条件が分からないときは、上司や担当部署に確かめてください。
練習なら、架空の名前と数字に置き換えられます。実務で戻す際は、置き換え忘れにも注意しましょう。
5.3 訳文で約束が強くなっていないか見る
日本語では「予定です」なのに、英文では確約になる場合があります。締め切りや納品の話では、特に意味を確認します。
数字、否定、条件つきの表現も見直してください。「できない」が「できる」になれば、仕事の内容が変わってしまいます。
分からない表現は、意味の説明も確認します。それでも判断できない大事な文は、社内の人に見てもらいましょう。
応募段階の受け答えを準備したい人は、外資転職の英語面接対策へ進めます。入社後の連絡と、選考用の回答は分けて準備してください。
最後に、自分の仕事で使う一通を選びましょう。
6. まとめ|よく使う一通から自分の型を作ろう
社内英語メールは、目的と次の行動を先に決めます。難しい表現を増やすより、必要な情報をそろえることから始めます。
- 依頼は、対象と返事の期限を添える
- 日程調整は、日時・時間帯・所要時間を書く
- 報告は、完了したことと次の予定を分ける
- 確認は、自分の理解を書いて返事を頼む
- 催促は、元の用件と必要な期限を伝える
送信前は、宛先・日時・添付・約束の内容を確認します。翻訳ツールは、会社の利用ルールに沿って使いましょう。
今日の準備は一通だけで大丈夫です。仕事でよく頼まれる作業を選び、日本語で用件を書いてみてください。
仕事選びでは、メール以外の英語場面も確認しましょう。外資系求人票の読み方を使えば、応募前の質問も整理できます。


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